葬儀には、宗教の概念が色濃く関係しています。故人や参列者の宗教観に左右される部分もありますが、葬儀とは、第一義に「死者を送り出し、残された者の心を慰めるために行われる儀式」であると言えます。

そして葬儀には、そうした精神的な役割のみならず、社会的役割として、「誰が亡くなったのか？」「どのように遺体を処理するのか？」を示す場であるという意味も含まれます。
人は、社会的存在ですから、社会に対してその死を告知し、必要な手続きを施す必要があるのです。

また葬儀は、死と生について考える場でもあります。
人は、死というものを、他人の死を通じてしか学ぶことができません。死、あるいはご遺体と直面することで、「死とはどういう事なのか？」を知り、生きることそのものを、あらためて自らに問う機会となるのです。

総じて葬儀とは、人が生きた証を残す場であり、これから生きる人へのメッセージを受け取る大切な場でもあります。